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3年後に向けて・・・入江陵介選手

日本選手権2日目決勝が終了!

今大会、萩野選手が大活躍し、盛り上がっているが、

大会を全体的に見ると、記録が低迷しているのが、現実だ。


派遣標準記録を個人種目で突破した種目は、

15種目終わった時点で、たったの5種目。

記録面を見ると、厳しい状況が続いている。


もちろん、五輪の翌年でもあり、メダリスト達の調整も遅れてはいる。

しかしもっともっと若手の台頭があっても、私は、いいと思う。

そう言った意味では、今年は、チャンスの年でもあるはずだ。

あと2日間の日本選手権。

若手スイマーは、このチャンスを活かして、思い切ったレースをしてほしい。



さて、今日、私が、気になった種目は「男子100m背泳ぎ」

結果は、萩野公介選手が、入江陵介選手を抑え、優勝。

400m個人メドレー、200m自由形に続いて、3つ目のタイトルを獲得した。


そんな中、私は、入江陵介選手に注目して、レースを観戦していた。

入江選手は、北京、ロンドン五輪と2大会連続出場を果たし、

ロンドン五輪では、100m、200m背泳ぎ共に、メダルを獲得。

4×100mメドレーリレーでも、日本のメダル獲得に、貢献した姿は記憶に新しい。


入江選手は、2005年のパンパシフィック選手権で、

日本代表デビューを果たし、日本のエースへと成長した。


メダル候補として、注目を受けながら臨んだ北京五輪。

五輪で初めて味わった屈辱と挫折。

そこまで順調に階段を駆け上がってきた彼にとっては、苦しい経験となった。

「五輪の借りは、五輪で返す」と誓い、

4年後のロンドン五輪を見据え、苦手なバサロキックの強化にも着手。

しかし全ては、順調ではなかった。

体調不良や足の怪我で、思うような練習が出来ず、

順調に伸びてきた記録も止まり、「我慢のとき」を味わった。

この苦しみを五輪と五輪の中間年に、経験することが出来た彼は、

以前は、気に留めていなかった体のメンテナンスも、積極的に行うようになった。

ロンドン五輪では、狙っていた金メダル獲得はならなかったが、

100、200m背泳ぎ、4×100mメドレーリレーの3種目で、メダリストとなった。

結果だけではなく、「日本チームに流れを作りたい。」と精神的な部分でも、

チームを支え、エースとしての自覚と覚悟を垣間見ることが出来た。


今大会は、国内無敵とされてきた入江選手の背泳ぎに、

ゴールデンエージの萩野選手が参戦。

萩野選手は、もともと背泳ぎにも力を入れてはいたが、

昨年は、ロンドン五輪などで、種目を絞っていたため、

なかなかチャレンジする機会に恵まれなかった。

そんな中、今大会では、6種目にエントリーをした萩野選手。

入江選手には、100、200m背泳ぎで挑むことになった。


今日のレースは、若手の勢いある萩野選手に敗れたものの、

私は、入江選手の泳ぎやタイムは、悪くない!と思っている。

彼もいつの間にかベテランの仲間入りをし、2回の五輪を経験。

メダリストにもなったことで、3年後への気持ちの切り替えには、時間がかかったと思う。

五輪の翌年に、53秒前半で、タイムをまとめてこれたことは、自信を持ってほしい。


国内無敵だった入江選手にとって、久々に、日本に現れた意識する存在。

萩野選手も、勝利したとは言え、まだ入江選手の自己ベストタイムとは、離れている。

しかし若手の勢いと複数種目を平然とこなすタフさに、少なからず、脅威を感じているだろう。

レース後、入江選手は初めて、萩野選手の存在を「ライバル」という言葉で表現した。


入江選手の実力は、世界トップレベルであるため、

なかなか日本国内には、競り合う相手が存在しなかった。

たとえ、彼が、60%の調子でも、勝てる実力があり、レベルの差があった。

選手として、いくら世界のライバルを意識しているとしても、

日本国内にライバルが存在しないことは、

経験を積む上では、マイナスになることもある。


もし国内に同じようなレベルで活躍するライバルが存在したら・・・

国内レースで、勝つか負けるかの緊張感や

接戦の場面でも平常心で戦える心を養うことが出来る。

世界の大舞台では、当然、競り合うことになる。

その状況を少しでも多く経験することは、

世界のトップを目指していく上では、大きなポイントとなると私は思う。


経験は、積んだ分だけ、自身の糧になり、成長するエネルギーとなる。

無駄な経験はない。

もちろん、負けて悔しくない選手はいない。

しかし国内で、久々に負けたことも、彼にとっては、大きな経験になったと思う。


萩野選手の参戦によって、

久々に感じる国内レースでの勝負における緊張感とプレッシャー。

国内で、こうした緊張感の中、泳ぐことは、

世界一を目指す彼にとっては、重要なカギとなることは間違いない。


そして、もうひとつ、リオデジャネイロ五輪に向けて、明るい材料がある。

入江選手は、ロンドン五輪後、オーストラリアへ短期留学。

環境も練習方法も違う異国の地での武者修行に刺激を受けた。


彼は、長年、スタート、ターン後のバサロキックの強化を課題に挙げて取り組んできた。

オーストラリアでの練習では、水中動作であるバサロキックや

ドルフィンキックを強化する練習が多く、積極的に取り組んだと言う。


実際、入江選手の体に変化があった。

これまでは目立たなかった腸腰筋の発達が見られた。

留学前後に、入江選手のケアをした小沢邦彦トレーナーは、

「帰国後に体を触ったら、腸腰筋が大きくの発達していた。

バサロキックで使う筋肉がアップし、背中の筋肉が盛り上がっていた。

過去にも、バサロキックを得意としていた、五輪メダリストの中村真衣さんや

森田智己さんの背中にもあった筋肉。しっかり強化してきたのだなと感じた。」

と、入江選手の変化について、話してくれた。

バサロキックは、足だけを使って打つと、後半の泳ぎ、特にキックに影響してくる。

そのため、出来るだけ、体の中心部分を上手に使ってバサロキックを打つことで、

後半の泳ぎへの影響が少なく、泳ぎ切れる。

このバサロキックに必要な筋力アップは、まだ始まったばかり。

今日のレースでは、バサロキックを得意としている萩野選手に

スタート、ターン後に、差を付けられた。

しかし彼は、自己分析し、バサロキックの手ごたえは掴めていきてはいると話した。

「バサロが下手!から、ようやく一般並になったところです。」


3年後に向けて、スタートを切った今年。

2か月の短期留学で、彼が学び、掴んできたことは大きい。

彼が世界一を目指す上で、必要不可欠になるバサロキック。

今後、最優先に重点を置いて、取り組む課題とも言える。

ただ彼自身、何をしなければならないか、ヒントを掴んでいる。


3年後のリオデジャネイロ五輪では、

「得意のバサロキック」に変化しているかもしれない。

ピンチをチャンスに変えられた時、彼は、完全無敵なバックストローカーになる。


今後も、入江陵介選手のチャレンジを見守っていきたい。



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小粟 筍

今までで一、二を争う、熱く濃く長い内容のブログじゃない?

十二分に伝わってます。
by 小粟 筍 (2013-04-12 22:09) 

名無し

お誕生日おめでとうございます
by 名無し (2013-04-13 05:18) 

jun

確かにちょっとしかテレビに映ってはいなかったし、筋肉については知識がないのですが、背中が映った時に筋肉が付いたかな?とは思っていました。
でも最後の追い込みには感動しました。最後にあれだけの余力があるなんて…フォームもさらに美しくなったように思いました。
by jun (2013-04-13 10:22) 

ますみ

お誕生日おめでとうございます。
入江選手のブログを読んで、涙が出るくらい嬉しかったです。 
ありがとうございます。
萩原さん始めとする先輩方や水連の方々も若手だけ期待と注目をしていると思っていました。
マスコミの注目は若手に集中すると思うので、じっくりバサロの強化に取り組んでほしいです。世界選手権楽しみにしています。 
メドレーリレーも若手で行くのでしょうね。3年後に向けて仕方がないですね。
古賀選手にも代表入りしてほしいです。 
ブログこれからも楽しみにしています。ありがとうございました。
by ますみ (2013-04-13 10:43) 

an

入江ファンの私としましてはこのブログは胸がいっぱいになるくらいうれしい内容です。!
 いつも的確な解説、それに至る細かな情報収集、そして選手への愛情。 すばらしいです。
 こんなに思って下さっている本文を入江選手に読んでいただき励みにしていただきたいです。 
入江選手をこれからもよろしくお願いいたします。 
本当にありがとうございました。
by an (2013-04-15 00:39) 

jellybean

私も大の入江選手ファンです。なにしろあのスーッと伸びてくる泳ぎの美しさが大好きです。もう何年も、入江選手のターンが得意とまではいかなくとも今より上達されれば、多分彼に追いつく選手は現役でいる間は、誰も出てこないんじゃないかと思ってます。こちらのブログはまさにそれを後押しして下さってるようで、とても心強く、そして嬉しく思いました。
今シーズンは、萩野選手に注目が集まり入江選手は精神的に大丈夫かしらと心配でもありましたが、色々とレース後のコメントなどを拝見してますと、ご本人は至って前向きに受け止められている印象で、メンタル面でも成長されたのだなと感じ、頼もしく思いました。
近い将来に、鈴木コーチ直伝のバサロキックも備えた、無敵の入江選手が誕生する事を信じています。

by jellybean (2013-06-06 22:25) 

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